この物語の舞台であるロクリス島は、現実世界のブリテン島から地勢的題材を取っているようです。
しかし、細かい所どころか歴史的前提条件となる部分で大きな相違があり、時代的な変更点もあります。
ここでは、その相似と相違について考察していきます。
●気候
まず、ロクリス島はブリテン島より気候が暖かいことがわかります。
現実のブリテン島はあまりにも北にあるため土地が痩せて貧しく、時代がかなり下らないと本格的農耕国家は成立しません。物語の時代背景は古代ローマの勃興期がモデルのようですが、当時のブリテン島はケルト(ガリア)人たちが狩猟生活を送っていたある意味未開の地であり、文明はまだ本格的に伝播していなかったのです。
存在する緯度自体が南にあるか、より暖かい海流が流れていることで気候が良いかのどちらかでしょう。ロクリス島がブリテン島並みに寒い気候なら、北部には国家の成立しようがありませんから。
●文明
ロクリス島はブリテン島よりずっと早い時期に文明が伝播していたことがわかります。
どうも設定では「予言戦争」時代はローマの勃興期であるはずなので、どう見てもローマよりロクリスの方が歴史があります。もしかしたらロクリス島の文明はエーゲ海の文明を伝えたギリシャ人たちの植民活動によって成立したのでしょうか?
●宗教
ロクリス島では、至るところにキリスト教的モチーフがあり、人々も神の名を唱えたりしています。しかし、キリスト的モチーフは当時のガイア大陸にはあまり見られず、フランク国に存在が検知できる程度です。
史実でのキリスト教は古代ローマが最大版図を実現した頃ようやく勃興した侵攻宗教であり、当時は存在したはずが無いのです(キリスト教の教祖とされたイエスの活動期はAD30年代、帝政ローマのティベリウス帝時代)。
現実のブリテン島では、まだまだケルト人たちの素朴な自然崇拝宗教が支配的であったはずなのです。
もしかして、イエスに相当する宗教改革者は、ユダヤの地でなくロクリスかフランクの地に現れたという設定なのでしょうか?
(以下考察中)
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