●エドウィンは、古代のアレス王に従って戦った功績により、良い土地を交換してもらえたエルフたちの整備した国です。いつの間にか鉱物資源の豊かなグレイスや人材豊かなアルカナイヤを併合しており、大国として確固たる地位を築いていたようです。
本国は土木工事に秀でたエルフたちによって難攻不落の山城になっており、なまなかなことでは滅ぼされることの無い国になっています。人材も豊かで、バードマンとの同盟関係はこの国の軍事面で計り知れない利をもたらしています。
南部のカーディックとの縁も深く、外交面でのソツの無さもあったようです。
オルニックもこの国に対しては警戒していたらしく、先手を打っています。その手というのが現代の北朝鮮並みのトンデモなものであることの是非についてはともかく、そこまで恐れられていたことは分かります。
国王以下エドウィンの人々は切歯扼腕しつつ、戦役を見ていたようです。
●こう戦えばより良い戦いが出来た
まず、自国がロクリス島におけるキャスティングボートを握っていることを正しく認識する必要がありました。
のんびり構えている間に自国のかけがえ無い世継ぎの王子が拉致されるという大失態には、開いた口が塞がりません。十分な護衛が付いていなかったことは、カーディックの街の住人の言葉からも分かります。また、非常時の外交の消極性も大変問題です。エルフたちは人間を心底からは信用できなかったのでしょうか。
北部で変事の可能性を嗅ぎ付けた時点で、自国防備の脇を締めておくことが一番大事でした。国境線整備、要人警備などです。
当時の国王ロトは戦役に対して積極的役割を果たす必要を認めていなかったようですが、その態度も問題です。戦乱の時代において、これほどの地域大国に消極的な指導者が居るということはミスマッチであり、果たすべき役割を果たさなかったと言われても仕方が無いでしょう。
キャメロットの国王ユーサーとここのロト王の消極性も、ロクリスの戦禍を大きなものにした原因の一つです。
もっとも、逆に人間たちの戦いを距離を置いて眺め、機を見て自国の戦力をぶつけて領土を拡大するという積極的な考え方もあります。飛行兵力などというものが存在するこの国なら、広域機動防御を元アルカナイヤのバードマンに任せて自国の精鋭は侵攻に用い、それを梃子にして一気にロクリス島の主導権を握るということも十分可能でした。上手く回れば、ロクリスがエルフの島になってしまうという結末も十分あったでしょう。
思えば、勿体無いことをしたものです。
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